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郭嘉×陳羣(創作)




あの人がいつか私から離れて行くんじゃないかっていつも思うんだ。

夜、貴方の事を想うと眠れなくて何度も寝返りを打つ。もう何度目の寝返りか分からなくなった所で寝るのを諦める。
少し外に出て涼もうかと思い、中庭に出る。空を見上げるときらきらと輝く星が見える。
綺麗だなと思ったのだけれども、あの星たちがなんだかあの人に見えてきて、涙が溢れてくる。
あの人とは、情を交わした仲である。
(だけど…)
いつも心は私の方には向いていない。
(どうして?)

その場にうずくまり、涙をぼろぼろと零す。あの人を好きにならなければこんな辛い思いなんてしなかったのに。どうして私だけこんな思いをしなければならない。

「私は、貴方さえいれば他に何も要らないんです。だから、私だけの貴方になって下さい…!」



翌日、気付いたら寝所にいて寝ていた。
ーーいつ戻ってきたんだろう。
そんな事をまだ覚醒しきっていない頭でぼんやりと考える。しかし、いつまで経っても結論は出ない。もう良いや、と思い起き上がろうとすると突然声が聞こえてきた。目を丸くして声のする方を見てみると、そこには大好きな貴方がいた。

「長文君、起きたら駄目ですよ。」

そう言って起きるのを制する。
大好きな貴方の手が私に触れる。頭を優しく撫でてくれる。そう言えば、どうして奉考殿がここにいるんだろう。

「どうして、ここにいるんですか?」
「どうしてって…長文君何も覚えていないんですか?」

その言葉に少し考えてみる。しかし、何も思い出せないから首を振った。

「…そうですか。なら良いんですが。それより、気分はどうですか?」
「気分?……少しだるいような感じがします。」

「なら寝ていた方が良いですね。」

そう言ってにっこり笑う。でも、何だかそわそわしているようなそんな気がする。

「長文君。本当はずっと側にいたいんだけど、文若殿に呼ばれてるからもう行きますね。」
「え…そ、そうですか。」

奉考殿が文若殿の所に行ってしまう。行かないでって一言言えばいいのに言葉が発せられない。気付いたら裾を掴んでいた。

「長文、君?」
「……っ何でも、無いです。すいません。」

笑って見せてみたけど、上手く笑えているかな。もっと素直になれたら良いのに。そんな思いでいっぱいになる。
せめて、今だけでも良いから素直になる勇気が欲しい。
不意に、頭を優しく撫でられる。顔を上げて見てみると、そこには優しく微笑んだ奉考殿がいた。

「早く行かなくて良いんですか?」
「ええ、行かない事にしました。」

思わずぽかんとした表情を浮かべてしまう。
そんな私の顔を見て、クスッと笑う。

「長文君と一緒にいると楽しいですね。」

ここで、そう言って貰えて嬉しいだとか何か言えれば良いのに。

「あ、そうだ!」

何か思い付いたらしく、手を叩く。そして、思い切り顔を近付けてきた。

「長文君の風邪が治ったら、一緒に遊びに行きません?」
「執務があるので無理です。」

自分の馬鹿。素直に行くと何故言えない。
こんな自分大嫌い。

「行きましょうね。」
「行かないって言ってるじゃないですか。」
「行きたくないんですか?」
「行きたくないです。」
「そう…」

がっかりしてしまったようで、うなだれていた。
可哀想な事してしまったな。

「奉考殿、顔を上げて下さい。」

私の言葉に素直に従うあなた。
それが面白くて笑ってしまう。

「風邪治って執務も片付けたら、一緒にどこかに行っても良いですよ。」

言ってから驚いてしまった。まさか自分の口からこんな言葉が出るとは思ってもいなかった。
驚いたのは私だけでは無いようで、奉考殿も驚いていた。

「ほ、本当に良いんですか?」
「…ええ。」

小さい声で返事を返す。


そしたらあなたが今まで見たことのない笑顔を私に見せるから、偶には素直になる努力をしてあげようと思った。






-------
最初は郭嘉がそのまま荀イクの所に行って終わらせちゃおうとか思ってたんですが、それじゃおもしろくないと思いこうしました。
素直になれない子って良いですよね。うふ←



ここまで読んで下さり有難うございました!
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